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春高2025

勉強の日々でさらなる成長を【西川凜、花岡千聡、平野シアラ 金蘭会高 SVリーグ加入組インタビュー(後編)】

  • 高校生
  • 2025.02.25

1月の春高ではインターハイとの全国二冠を目指したが、準決勝で下北沢成徳高に敗れた金蘭会高(大阪)。粒ぞろいの3年生の中で、SVリーグに進む西川凜、花岡千聡、平野シアラによるインタビューを前後編でお届け。後編では、金蘭会中時代から6年間プレーする3人が見たそれぞれの成長に迫る

 

 

SVリーグでの目標を書いた(左から)花岡千聡、西川凜、平野シアラ

 

 

——金蘭会中からともにプレーしてきた3人ですが、6年間での成長はどう感じますか?

西川 佐藤先生(芳子/金蘭会中監督)の基礎練習もあって3年間で成長し、全中では優勝することができましたが、今の自分から見るとめっちゃぎこちないと思います。でも、だんだんレシーブ力が上がってきたのは、佐藤先生や、高校の池条先生(義則監督)のきついレシーブ練習があったから。床際のボールや、春高初戦の岡学戦(対人間環境大附岡崎高〔愛知/旧校名・岡崎学園高〕)でしつこく2本目のカバーにいけたのも、6年間レシーブ練習をやってきたおかげやな、とすごく感じました。

 ただ、コート内での立ち居振る舞いだったり、表情は6年間でいちばん成長させてもらった部分だと思います。先生たちや、支えてくれた同級生にすごく感謝しています。

 

——そんなにぎこちなかったのですか?

西川 やばかったです。高校に入学して、中学と全然高さが違って、歩未香(德本/現・Astemoリヴァーレ)さんに二段トスをめっちゃ教えてもらった記憶があります。

 

花岡 中学のときは地獄のサーブレシーブ練習やったな(笑) (西川)凜がつないで、セッターがトスを上げて、両サイドで立っている人が動かずにボールをキャッチできたら、1点ずつ増える練習がありました。でも、レシーブでミスしたり、Aパスが返っても、自分のトスがずれたらマイナス1点。マイナス2点になったら強制終了でした。

 

西川 「あ、そのボールを1点にするんや」って、佐藤先生の言葉の圧もあったよな。あれでメンタルが鍛えられました(笑)

 

花岡 その練習もあったから、凜は中学のときもうまかったですよ。

 

 自分はサイドへのトスが得意で、高校に入ってからも勝負どころはサイド、というトス回しをしていました。でも、去年の国スポで負けてから(就実高単独チームの岡山県に0-3で敗戦)、ミドル(ブロッカー)を交えたトス回しをすごく練習しました。相手のブロックを見て、「今はこっちが高いから、逆に上げよう」とか、余裕を持ったプレーができるようになりました。

 

西川 (花岡)千聡はあまり怒る性格ではありませんが、ミスをしたあとの円陣で「ここ1本集中しよう」とか、「次、絶対いけるよ」と言ってくれます。そのひとことでみんなの気が引きしまったと思うし、そういう声かけが3年生になって増えたと感じました。

 

花岡 声かけは意識しました。2年生までは自分のプレーに精いっぱいでしたが、余裕ができたからこそ周りに目を向けられるようになりました。今年は後悔なく終わりたいと思っていたので、自分のできることは最大限にしようと取り組みました。

 

 

6年間で磨いたレシーブ力で、何度もチームの窮地を救った西川

 

 

平野 自分の中ではブロックがいちばん成長したのではないかなと思います。中学生のころはブロックで点を取る概念があまりなかったですが、高校に入ってからその大切さを知って。ブロックポイントの本数が増えました。

 ただ、サーブレシーブは中学時代のほうがうまかったと思っています。これからのことを考えればもう少し強化したいです。

 

西川 え、サーブレシーブよくなってるで。安定していたし、めっちゃ信頼していたよ。(平野)シアラはレシーブが返る日はいいですが、1回弾いたら崩れてしまう特徴があることをわかっていました。春高ではシアラが崩れ始めたら(サーブレシーブから)外そうと思っていましたが、ずっと安定してA、Bパスで返していたので。不安になることなく、馬場(柚希)とシアラで最後までやりきることができました。

 

花岡 去年の国スポぐらいから、オポジットに丹山(花椿)とシアラが半分ずつぐらいでコートに入るようになって。シアラはサーブレシーブで不安定なときもありましたが、春高が近づくにつれて面が向いたところにしっかりレシーブが返ってきていたし、大会中も試合を通してすごく成長していると感じました。

 

平野 いやぁ、うれしいですね(笑)

 

——3人はSVリーグに進みますが、これからどんな思いで成長したいですか?

西川 (アンダーエイジカテゴリー日本代表の)合同合宿をしたときに、ララさん(同期入団のリベロ中村悠)のプレーを直接見させてもらって、びっくりしたことを覚えています。すごく上手で尊敬する方なので、チームに合流してからは間近でプレーを見て、たくさん勉強したいです。また、ずっと支えてくれた(笠井)季璃さんも同じチームなので、一緒にプレーできることがいちばん楽しみです。

 自分の強みは最後まで粘り強い姿勢や声かけ。そのよさを忘れずに、金蘭会で6年間学んできたことを生かして、毎日勉強して頑張りたいです。

 

花岡 セッターとしてまだまだ未熟なので、まずは攻撃の組み立て方やスパイカーに対する声かけをもっと学んで、勉強していきたいです。また、ミチさん(中道瞳コーチ)には2年生のユース合宿をきっかけに教えてもらうことがあったので、これからもたくさん学んで、チームに貢献できる選手になりたいです。

 

西川 ミチさんと練習をしてから、千聡は変わりました。どちらかというともともと持つ(キャッチ気味でトスを上げる)タイプでしたが、自分と千聡とミチさんで朝練をしたときに、ミチさんから「ちょっと弾いてみたら」と言われていて。そのひと言から弾くことに楽しさを感じていました(笑) そこからはひたすら弾く練習をしていて、今に至ります。千聡のファーサイドに飛ばすトス、すごいですよね。

 

花岡 ユースでよく、スタッフの方から「弾け」と言われていたんですけど、 「弾いたらドリするやん(ダブルコンタクトの反則)」とちょっと思っていて(笑) でも、ミチさんに教えてもらってからその感覚がちょっとずつわかりました。チーム(金蘭会高)に帰ってからも意識するようにして、「こういう感じで合っていますか?」と聞いたりしていました。

 そのときに言われたのは「初速を大事にする」ということ。速い攻撃でもトスの高さを低くするのではなくて、ボールのスピードを上げるようにしたらいいよ、と言われて。手からボールが離れる瞬間のスピード上げるように意識しました。

 

平野 自分が進路(KUROBEアクアフェアリーズ富山)を決めたのは、川北元さんが監督に就任したからです。自分は今、どちらかというと考えるというよりも、直感でプレーしているので。コーチとしてオリンピックを経験した方から学んで、もっと考えてプレーできるようになりたいです。

 元さんは先週(取材日は127日)学校に来てくださって、そこで初めて話しました。「バレー以外は楽しんでもらいたいけど、バレーは厳しくいくからね」と言っていただいて。そんな環境でプレーできるのはすごくありがたいので、もっとバレーがうまくなりたいです。

 

 

中学時代からともにプレーしたが、これからは別の道を歩む3人

 

 

——これからはライバルとして、どんな勝負をしたいですか?

花岡 自分の武器の一つであるサーブで、凜からはサービスエースを取りたいです。シアラはクロスにスパイクを打ってくると思うので、そこは決められないように拾っていきたいです!

 

平野 凜にも千聡にもレシーブされたくないです。まぁ、いけるんじゃないかな、と思います(笑)

 

西川 千聡とはずっとあうんの呼吸でやってきたので、ツー(アタック)も読める自信はあります(笑) サーブも全部拾って、千聡とシアラが嫌がるリベロになりたいです。

 

花岡 ツーは全部決めます!

 

平野 自分もストレートに打ちます!

 

西川 凜

にしかわ・りん/3年/身長158㎝/最高到達点270㎝/金蘭会中(大阪)/リベロ/U18日本代表(2022年度)、U19日本代表(23年度)、U20日本代表(24年度)/クインシーズ刈谷内定

 

花岡千聡

はなおか・ちさと/3年/身長175㎝/最高到達点288㎝/金蘭会中(大阪)/セッター/U20日本代表(2024年度)/東レアローズ滋賀内定

 

平野シアラ

ひらの・しあら/3年/身長176㎝/最高到達点285㎝/金蘭会中(大阪)/オポジット/U18日本代表(2022年度)/KUROBEアクアフェアリーズ富山内定

 

取材/田中風太(編集部)

写真/魚住貴弘、編集部

 

発売中の月刊バレーボール3月号では、金蘭会高のダブルエース、西村美波と大森咲愛の対談を掲載

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