駿台学園高 春高3連覇&全国三冠メンバーが卒業 ピアチェンツアで武者修行中の川野琢磨はとんぼ返りでイタリアへ
- 高校生
- 2025.03.03
駿台学園高(東京)は3月1日(土)、卒業証書授与式を行い、1月の全日本バレーボール高等学校選手権大会で3連覇、そして全国三冠を成し遂げた3年生が出席。その中には、イタリア・セリエAのピアチェンツァで武者修行する川野琢磨の姿もあった
ダブルエースとしてチームを引っ張った川野琢磨(左)と櫻井信人
想像を超える3年間のフィナーレに、大役が待っていた。卒業式に向けて、川野は2月26日の午前に帰国。学年の代表として壇上で卒業証書を受けると、「試合より緊張しました」と苦笑いを浮かべた。しかし、教室では久しぶりに会うクラスメートたちとほっとした表情。「ほんとうに久しぶりで。ここがいちばん落ち着きますね」。記念撮影やサインにも快く応じていた。
春高で優勝してからおよそ10日後には、男子U21日本代表候補としてイタリア・セリエAのピアチェンツァへ。シーズン中ということもあり、常に実戦形式の練習に参加できるわけではないが、少ない機会でもそのレベルの高さに圧倒された。
「とにかくイタリアはフィジカルがすごいです。サーブのスピードや高さが全然違ったので、まだまだ壁はあると思います」
特にスティーブン・マー(カナダ)のスパイクには、「重さがあって、手に当たっても(ボールが)自分のコートにいってしまった」と何度もブロックをはじかれた。世界トップ選手がそろうなかでも、川野が目を輝かせるのはアントワーヌ・ブリザール(フランス)。そのトスには「ほんとうに、ほんとうにうまくて。どこからでもオーバーできれいに上げていてすごいです」と興奮気味に語る。
仲間たちと高め合い、3年間で6度の日本一に輝いた高校バレー。「試合、練習では言い合えて、学校ではふざけ合える関係でした。ほんとうに楽しく過ごせた3年間だったと思います」。仲間たちとの最後のときをかみしめると、その後は有明コロシアム(東京)へ移動。強化育成選手として加入した東京グレートベアーズ対大阪ブルテオン戦に姿を見せ、深夜には再びイタリアへ発った。海外派遣は3月31日(月)までの予定。日本期待の大型オールラウンダーは、これからさらに成長速度を上げていく。
記念品を手に、笑顔を見せる3年生
3年生のコメント
三宅綜大
「中学から6年間駿台(学園)に通っていたので、大学ではこの仲間たちがいなくなるのか、と思うと(涙が)一気にきました。高校でこれだけの結果を出せたのは、スタッフの皆さんが支えてくれたから。大学だけでなく、その先もプレーできたらと思います」
櫻井信人
「引退したときよりも気が楽になりました。でも、明日には(入学予定の岐阜協立大の寮に)移動するので、次のステージが始まるな、という思いが強いです。3年間で腐っていた時期もありましたが、この1年間で階段を少し上ることができました。我慢できるようになったのが、少し強くなった部分だと思います」
川野が感じる3年間での成長や、谷本悦司キャプテンのコメントは、卒業特集を掲載する月刊バレーボール4月号(3月14日〔金〕発売)をチェック
文・写真/田中風太(編集部)
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