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春高2025

WD名古屋 ニミル・アブデルアジズが驚異のシーズン1000得点突破。トス役もこなせる活躍はまさにアンストッパブル

  • SV男子
  • 2025.03.17

 バレーボールの「2024-25 大同生命SVリーグ」男子は315日〜16日にレギュラーシーズン第19節が実施された。シーズンが大詰めを迎えるにあたって、上位6チームによるチャンピオンシップ進出チームの確定や今季かぎりでの引退選手の発表などトピックスはもりだくさんだが、そのなかでも驚愕の数字が飛び出た。それがウルフドッグス名古屋のオポジット、ニミル・アブデルアジズ(オランダ)のシーズン総得点1000突破である。

 

 

圧倒的な攻撃力を備えるニミル・アブデルアジズ(Nimir abdel-aziz/身長201㎝/最高到達点365㎝/オポジット/オランダ)

 

 

316日の広島TH戦で大台を突破してみせたニミル

 

 ニミルといえばオランダ代表のキャプテンと絶対的エースを務め、世界のバレーボールシーンを彩るプレーヤーの一人。身長201㎝の体格を備え、ダイナミックなフォームで繰り出す最高到達点365㎝からのスパイクに加えて、強烈な弾丸サーブも代名詞となっている。2023年9月のヨーロッパ選手権では時速137㎞の当時世界最速を叩き出している(その4日後にポーランド代表のウィルフレド・レオンが138㎞を記録)。

 そんなワールドクラスのアタッカーが今季のWD名古屋に加わったわけだが、日本の地でもその力を存分に発揮。得点力・決定力はもちろん、ここぞの場面で奪ってみせるサービスエースに観客そしてチームメートも湧き上がる。

 

 そのニミルが3月16日の広島サンダーズ戦でシーズン1000得点に到達した。前日を終えた時点で991得点としており、チームもSNS上で「#NI_METER発動」(ニミルと、計測を表すメーターをかけた造語)とハッシュタグを展開し、大台突破を後押し。そうして16日の第2セットにレフトからのアタックで達成してみせた。

 

 ここまで38試合を戦い、出場セット数は148。16日の試合を終えた時点で総得点は1010を数え、1セットあたり6.8点、1試合平均で26.57得点をマークしている計算になる。なお総得点のランキングでいえば、2位が広島THのフェリペ・モレイラ・ロケ(ブラジル)で805なのだから、いかにニミルの数字が突出しているかがわかるだろう。

 

 

サービスエース決定本数も第19節終了時点で101と大台をクリアしている

 

 

「本人が試合に出たがる」とフル稼働を続ける

 

 特筆すべきは、そのフル稼働ぶりだ。ただでさえ今季からSVリーグがスタートし、レギュラーシーズンは44試合、天皇杯をはさんでほぼ毎週末に2試合を戦っているわけだが、ニミルは休むことを知らない。むしろ、拒んでいるという証言もある。以前、チームスタッフは「ニミル本人が出たがるんですよ。試合を休むぐらいだったら、プレーしていたい性分なんです、彼は」とこぼしていた。肉体の強さやコンディショニングといった要因はあるだろうが、どうやら“勤続疲労”という言葉は彼の辞書にないようだ。

 

 現在、技術統計においても総得点を筆頭に、アタック決定率57.9%、サーブ効果率17.3%とリーグトップに君臨するニミル。試合の中ではときおりネットに背中を向けながらアタックを放つなど得点への鋭い嗅覚を示し、また元セッター経験者とあって、きれいにトスを上げる場面も。今年111日のジェイテクトSTINGS愛知戦では、ラリー中にクイックへ入った味方へトスを上げて得点を演出している。これにはチームメートのセッター深津英臣も「あれをやられては(笑)」と白い歯をのぞかせ、続けて「彼の強みであり、僕たちの強みですよね。ニミル選手がトスを上げられることで、自分に代わってブロッカーを投入できるわけですから」とうなった。

 

 レギュラーシーズンは残り6試合で、その後はチャンピオンシップへと戦いは続く。カウントされる総得点も、そしてチームへの貢献度も青天井。その活躍は、まさにアンストッパブルと称するにふさわしい。

 

 

本職もうならせるほど!? きれいにセットアップするニミル

 

(文/坂口功将 写真/WOLFDOGS NAGOYA

 

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【動画】ニミル・アブデルアジズ(WD名古屋)シーズン1000得点の瞬間

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