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春高2025

初のチャンピオンシップ進出決定 古賀太一郎が語った“遠かった目標”への思い

  • SV男子
  • 2025.03.18

リベロとして全身全霊をかけてボールをつなぐ古賀主将。そのプレーと同じように、FC東京から東京グレートベアーズへとチームの歴史を紡いできた

 

 

東京GBが挑む“未知の領域”

 

 熱戦の余韻がまだ冷めやらぬなか、連勝を飾ったサントリーサンバーズ大阪のメンバー、スタッフに敬意を表して彼らを見送ったあと、場内アナウンスが次のように告げた。

 「本日の他会場の試合結果を受けて、東京グレートベアーズの創部初となるチャンピオンシップ進出が決定いたしました」

 その瞬間、6996名の観客で埋まった東京体育館が弾けるように沸いた。

 

 31516日、6連勝と勢いに乗るサントリーをホームゲームに迎えた東京GBは、現時点の攻撃力の差を見せつけられる形で両日ともストレートの敗戦を喫した。しかし、16日の試合での広島サンダーズ(7位)の敗戦により、レギュラーシーズン6位以上が確定。創部3シーズン目で、念願だったチャンピオンシップ出場の権利を手に入れた。

 

 試合後の記者会見で古賀太一郎主将は、一瞬のうちによみがえったさまざまな記憶を反すうするように語った。

 「僕がFC東京(東京GBの前身。20225月末をもって活動休止)にいたときには、プレーオフはすごく遠い目標でした。その頃からファンの皆さんに楽しんでいただけるバレーを目指していましたが、それが後に東京GBとなり、Vリーグでは開幕9連敗から始まって、レギュラーシーズン36試合を終えたときにやっと2桁勝利に乗るというスタート。そこから柳田(将洋)が来てくれたり、深津(旭弘)さんが来てくれたり、今橋(祐希)ら若手が育ってきて、昨季はあと1勝というところでプレーオフに届かず悔しい思いをしました。今シーズンを戦った選手だけではなく、FC東京時代からの選手たちの努力もあって、今こうして基盤が出来上がったのだと思います」

 

 

チームの精神的な支柱として、常に若い選手たちの背中を押し続けてきた

 

 

 東京体育館でのホームゲームを控えた312日から14日にかけては、武藤鉄也、玉宅健太郎、小田嶋大貴、星野秀知、手原紳の今シーズンかぎりの現役引退が相次いで発表された。東レアローズ(当時)から移籍の星野のほかは、すべてFC東京時代を知る選手たちだ。チームの公式サイトを通じて発表された小田嶋のコメントが、すべての選手たちの思いを代弁しているだろう。

「“VOLLEYBALL DREAM”を掲げ発足した東京グレートベアーズ。事業継続が難しいと休部になったチームが日本で1番お客さんを呼び、ワクワクするチームになりました。まさに夢のような経験をさせていただきました。残りのシーズン、自分らしく熱く走り切ります(掲載文ママ)」

 幾多の困難を乗り越えた末に、今、走るべき道はまた切り開かれた。

 

「今日の理想としては、やはり勝ってチャンピオンシップ進出を決めたかった。それはかないませんでしたが、今までの一つ一つの積み重ねが今日のこういう結果につながっていると思うので、そこは素直にうれしく思います。チャンピオンシップまでは準備の時間もあるので、このタイミングでサントリーさんと試合ができたことをプラスにとらえて、しっかり改善し、チーム全体として前を向いてやっていきたい」。古賀主将はそう語り、そして自身の気持ちを引き締めるように締めくくった。

「チャンピオンシップをホームゲームで戦うために、レギュラーシーズン4位以内に入るのが今後の目標。ここを通過点ととらえて、ホーム開催を実現できるように頑張っていきたい」

 

 毎回、趣向を凝らした演出でホームゲームを盛り上げ、バレーボールの新たなファン層を生み出し、ここまで突き進んできた東京GB。ここから先は未知の領域だが、道なき道を開拓するのは得意とするところに違いない。強い一体感であと押ししてくれる多くのファンとともに、チャンピオンシップではどんな新しい姿を見せてくれるのだろうか。

 今週末の322日(土)、23日(日)には、再びのホームゲームとなる武蔵野の森総合スポーツプラザにて、東レアローズ静岡を迎え撃つ。

 

文/村山純一(編集部) 写真/石塚康隆(NBP

 

 

東京グレートベアーズを新たなステージへと引き上げた柳田(左)、今橋(右)とともに。その挑戦はまだまだ続く

 

 

2024-25 大同生命SV.LEAGUE MENチャンピオンシップ進出確定クラブ>

316日時点

・大阪ブルテオン(1位) 315敗 残り8試合

・ウルフドッグス名古屋(2位) 317敗 残り6試合

・サントリーサンバーズ大阪(3位) 288敗 残り8試合

・ジェイテクトSTINGS愛知(4位) 2216敗 残り6試合

・東京グレートベアーズ(5位) 2018敗 残り6試合

※チャンピオンシップ進出は残り1

 

<開催地>

【クォーターファイナル】

GAME1~34月第3週の金曜日から翌火曜日

会場:リーグ戦3位・4位クラブのホームゲーム

 

【セミファイナル】

GAME1~34月第4週の金曜日から翌火曜日

会場:リーグ戦1位・2位クラブのホームゲーム

 

【ファイナル】

GAME1:202553日(土・祝)

会場:有明アリーナ(東京都江東区)

 

GAME2:202555日(月・祝)

会場:LaLa arena TOKYO-BAY(千葉県船橋市)

 

GAME3:202556日(火・祝)

会場:LaLa arena TOKYO-BAY

 

■SVリーグ男子 STINGS愛知と東京GBがチャンピオンシップへ進出 CS出場枠は残り1つ

■東京GB 小田嶋大貴、星野秀知、手原紳の3選手が今シーズン限りで引退

■東京GB 玉宅健太郎が今シーズン限りで現役を引退

■東京GBの武藤鉄也が2024-25シーズンをもって引退 U-15チームのヘッドコーチ就任へ

■WD名古屋 ニミル・アブデルアジズが驚異のシーズン1000得点突破。トス役もこなせる活躍はまさにアンストッパブル

 

【次ページ】SV男子順位推移表(3月16日終了時点)

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