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春高2025

セッターとして星城高へ進学も最後の春高はマネジャーで。伊藤歩樹の決断と貫いた信念「コートに立ちたい、けれど勝たせたい思いが強かった」

  • 高校生
  • 2025.03.21

 全国各地の学校では卒業シーズンを迎え、学生たちはこの春から始まる新たなステージへ胸を弾ませる。と同時に、それまで過ごしてきた学生生活に思いを馳せることだってあるだろう。今年1月の「春の高校バレー 第77回全日本高等学校選手権大会」(春高)に出場した男子の星城高(愛知)のマネジャー、伊藤歩樹(いとう・いぶき)。彼にとって、その大会はバレーボール人生最後の大舞台だった。

 

 

伊藤歩樹(いとう・いぶき/身長173㎝/最高到達点315㎝/知多中〔愛知〕,STINGS Jr.→星城高卒/セッター)

 

 

ジェイテクトSTINGS愛知のジュニアチームでキャプテンと司令塔を務めた伊藤

 

 これからやがて臨むことになる高校バレーに向けて、あの日、彼は目をキラキラと輝かせた。

 さかのぼること4年の20211127日、エントリオ(豊田合成記念体育館/愛知)で催されていた「2021 Vリーグジュニア選手権Bブロック大会」。ジェイテクトSTINGS愛知の中学生チーム「STINGS Jr.」でキャプテンを務めていた伊藤は準優勝という結果に「勝ちたかったですね…」と悔しさをにじませたが、「バレーボールが大好きなメンバーばかりで。宗宮直人監督は自分を『息子だ』と言ってくれて、僕も頑張りたいと思えましたし、みんなでお互いに励まし合える関係でした」と満足げな表情を浮かべた。

 

 この時点で受験を控えていたが、進学先は県内の名門である星城高と決めていた。「自分は頭が悪いので、試験が大丈夫かな」と苦笑いも、テレビで高校の試合を熱心に視聴していたため、憧れは強くなるばかり。星城高で指導する中根聡太コーチがジェイテクトの出身であり、また伊藤のポジションが中根コーチの現役時代と同じセッターだったことも、その思いに輪をかけた。

「春高予選はテレビ越しに見ていましたが、セッターがどんな態勢からでもアタッカーを気持ちよく打たせているのがわかりました。自分も高校ではアタッカーを生かせられるセッターになりたいです」

 

 

県内の名門校で、セッターとしての成長をにらんでいた

 

 

高校3年目、インターハイ県予選敗退を受けて下した一つの決断

 

 STINGS Jr.では一つ下の後輩に、のちに星城高でもチームメートになりエースを務める柏﨑祐毅がいた。そこでは「決定力のある選手がいるチームだったからこそ、いかに気持ちよく打たせるかが大事かを実感しました。なので、それは高校でも、さらにできるようになりたいと考えています」とセッターとしての学びを自身に落とし込んできていた。

 

 やがて念願かなって星城高に進学し、セッターとして着々と力をつけていく。高校3年目を迎え、「チームはツーセッター制を採用していて、自分は片方のセッターが後衛に下がった際に、前衛の3ローテでトスを上げることと、攻撃がかみあわなくなったときにチームの流れを変える役割でした」。

 

 だが、夏のインターハイ県予選敗退の結果を受けて、伊藤は自身に一つの決断を下した。

「県予選は純粋に自分の力不足です。自分のせいで負けてしまったので、そこからはチームを支える立場になって、何かできることがあればと考えました」

 ユニフォームを脱ぎ、マネジャーに回ることにしたのである。

 

 

今年1月の春高でチームをサポートする伊藤の姿(左から2番目)

 

 

【次ページ】マネジャーに転向した理由「自分が陰でチームを支えなければ」

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