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過密日程のバレー界でアメリカ男子のベテランブロッカーが下した“休養”という決断「パリでメダルを獲る気持ちが今までにないほど強かったんだ」

  • 日本代表
  • 2024.08.02

 パリオリンピック バレーボール競技で男子日本代表は現地8月2日(金)にプール戦(予選ラウンド)C組最大の強敵、アメリカと対戦する。経験豊富な顔ぶれが並ぶアメリカの中でも、自身3度目のオリンピック出場となるのが37歳のベテランミドルブロッカー、マックスウェル・ホルト。ホルトは東京2020オリンピックを終えて、一つの決断を下した。

 

 

マックスウェル・ホルト(Maxwell Holt/1987年3月12日生まれ/身長205㎝/最高到達点351㎝/ミドルブロッカー/アメリカ)

 

 

トップ選手ほど、1年中プレーをしているバレーボール界

 

 もう長いこと議論の的に上がり、選手たちの口から何度も聞かれる。バレーボール界における過密スケジュールの問題だ。

 選手がトップレベルになるほど、半年間に及ぶクラブシーズンでは高いパフォーマンスを求められ、それが終われば各国の代表活動に参加。毎年開催されるネーションズリーグに始まり、大陸選手権や主要国際大会で列強諸国としのぎを削り、その後まもなくしてプレーの場は次のクラブシーズンへと移る。

 

 昨年10月、アジア競技大会を戦い終え、クラブシーズンを前にした開幕会見で東京グレートベアーズの柳田将洋に水を向けると、「僕自身、体づくりができているかと言わればノーです。アジア競技大会を終えて数週でここに立っているので、不安はゼロではありません」と率直な思いを明かした。

 もちろん、FIVB(国際バレーボール連盟)はクラブシーズンと代表活動の期間を世界共通で設定し、それぞれの間に幾分かの空白期間があるのは事実。それでも年間を通して見れば、タフなことに変わりはない。

 

 

男子アメリカ代表は①マシュー・アンダーソンが37歳、⑳デービッド・スミスが39歳と高齢化の傾向にあり。コンディショニングも敵だ

 

2022年に代表活動を全休したホルト「私には休息が必要だった」

 

 そうしたハードな戦いに身を投じてきた多くのトッププレーヤーたちのなかで、代表シーズンを丸々休養に充てたのが男子アメリカ代表のマックスウェル・ホルトだ。2009年から代表に名前を連ね、2016年リオデジャネイロオリンピックで銅メダルを獲得。個人としてもイタリアやロシアのリーグで強豪クラブに名前を連ね、数々のタイトルを手にしてきた世界で指折りのミドルブロッカーである。

 そのホルトは東京2020オリンピックの翌年、2022年の代表活動に参加しない選択をした。昨年、パリ五輪予選/ワールドカップバレー2023で来日した際にその理由を聞くと、このように語った。

「私には休息が必要でした。というのも、プロ選手としておよそ15年間、毎年ほぼノンストップでプレーしてきたものですから。精神的にも肉体的にも、パリオリンピックに向けてプレーを続けられるか不安だったんです。なので、代表から一度離れて夏休みをとることにしました」

 

 身長205㎝、最高到達点351㎝の体格を生かしたブロック力は、組織的なブロックを代名詞とするアメリカ代表において、今なお絶対的な武器だ。30代半ばを越えた年齢を踏まえれば、いずれやってくる現役引退はもちろん、ホルトの離脱は痛手にほかならないだろう。けれども、チームは理解を示した。長年、男子アメリカ代表の指揮を執るジョン・スパロー監督もまたベテランミドルブロッカーの決断を歓迎した。

「マックス(ホルト)のようなベテラン選手が夏季休暇をとるのも悪くないと思いますね。彼は明らかにリフレッシュして戻ってきましたし、よりエネルギッシュに、そして高いレベルでプレーする準備ができていました。ほんとうにプロフェッショナルな選手ですよ」

 

 

指揮するスパロー監督(右端)も選手の意思を尊重した

 

 

【次ページ】仕事であるプレーで結果を出す、選手たちはそのための選択を下す

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