月バレ!ザ・ワールド/vol.3-スロベニア男子-
- コラム
- 2019.09.29
大歓声の後押しを受けて、得点を重ねる
ポーランドの強固なブロックにはね返されたスロベニアだったが、地元の大歓声はやむことがない。そのムードが選手たちの背中を押し、第3セットは序盤で先行する形に持ち込む。パシェクがクビアクをブロックし、12−8とリード。ポーランドはミドルブロッカーのカルロス・クゥオスやアウトサイドヒッターのアレクサンデル・シリフカを投入し流れを変えようとするが、中盤はスロベニアのチェブリが波に乗り得点を重ねる。ミドルブロッカーのヤン・コザメルニクのクイックやウルナウトのバックアタックなど、縦横無尽に攻撃を展開し、このセットを25—22で取りきる。
第4セットはスロベニア、ポーランドともにサーブミスなどおかまいなしに、攻撃的なサーブを繰り出す。スロベニアは15−16からウルナウトのサービスエース(クビアクが弾くほど!)で同点に。一進一退の攻防が続く中、21−21からオポジットのシュテルン・トンチェクがクビアクをブロックシャットしリードする。ふたたびクビアクが得点しポーランドが同点としたが、ここからウルナウトがスパイクとサービスエースをマークし、マッチポイントへ。ウルナウトのサーブミスで24−23としたが、最後はクビアクがサーブをネットにかけて、ゲームセットとなった。
決勝戦はセルビアと。日本時間29日(土)24:30〜
終わってみれば、3−1(25-23,24-26,25-22,25-23)でスロベニアが勝利。レオンが22得点、クビアクが14得点をあげたポーランドに対し、スロベニアはウルナウトがチーム最多18得点、チェブリが15得点、トンチェクが14得点と続き、攻撃枚数の多さで上回った。
ロシア、ポーランドというタイトルホルダーたちを撃破したスロベニア。お祭り騒ぎの応援席に囲まれて、選手たちは抱き合い、喜びを分かち合った。
さぁ、決勝はこちらも屈指のタレント軍団であるセルビア。オポジットのアレクサンダル・アタナシエビッチのほか、アウトサイドヒッターのウロシュ・コバチェビッチやミドルブロッカーのスレチコ・リシナツらを擁し、ヨーロッパの頂点を目指す。
日本時間の今夜、パリ(フランス)で行われる決勝戦に注目したい。
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著者紹介:GUCII(グッチー/坂口功将)。2016年春入社。月バレ編集部に配属後、本誌で『WORLD VOLLEYBALL NEWSPAPER』、「月バレ.com」では『WEEKLY SERIE A』を担当。昨年、世界選手権の男女両ファイナルを取材した唯一の日本人記者という称号を得る。だが、英語が特に話せるわけではない。