月バレ!ザ・ワールド/vol.1-イオアンディ・レアル-
- コラム
- 2019.06.13
WEB限定コーナー始動! どうも、月バレ編集部のGUCII(グッチー)です。FIVBネーションズリーグ2019が日本でも開催され、バレーボールは代表シーズンの真っ最中。さて今年はワールドカップバレーイヤー、来年は東京オリンピック、そして海外でプレーする日本人選手も増えてきました。そんな中で、もっともっと海外の情報を月バレからお届けしたい!ということで、新コーナーが誕生しました。
さぁ、皆さんご一緒に。月バレ!ザ・ワールド!
【GUCIIの 月バレ! ザ・ワールド】vol.1
■ブラジル男子/イオアンディ・レアル、ふたたび国際舞台へ
“鳥人軍団”キューバ男子代表として活躍
バレーボール界において、世界のトップに君臨し続けるブラジル男子代表。世界選手権は2002年から2010年まで3連覇を達成、2016年リオデジャネイロオリンピックで金メダルを獲得した。昨年の世界選手権では最後、ポーランドに敗れたものの、5大会連続で決勝進出を果たした。
そのセレソン(=ブラジル代表)に今年、新たな顔が加わった。身長202センチ、最高到達点361センチを誇るアウトサイドヒッター、イオアンディ・レアル。その名前を以前に聞いたことがある人もいるかもしれない。かつてはキューバ代表の一員としてプレーしていたアタッカーである。
1989年ワールドカップバレーで優勝、1990年の世界選手権で準優勝を果たしたキューバ男子代表は、抜群の身体能力を生かした攻撃力で世界を席巻し、そのさまは“鳥人軍団”と称された。ジョエル・デスパイネ、レオネル・マルシャル、ロベルランディ・シモン、オスマニー・ユアントレーナといった面々が国際舞台で活躍し、いま現在、世界で指折りのアタッカーとうたわれるウィルフレド・レオンも代表を背負った。レアルもその一人で、2010年世界選手権ではシモンやレオンとともに銀メダルを手にしている。
その後キューバのバレーボール界が浮き沈みを繰り返す中、やがてユアントレーナはイタリアへ、レオンはポーランドへ、それぞれ帰化という道を選択する。そして、2014年、レアルはブラジルへの帰化を申請し、翌年、国籍を取得した。そこからはFIVB(国際バレーボール連盟)の規定上、代表資格を要するまでに期間(4年間)が設けられることになり、『イオアンディ・レアル』の名前はナショナルチームによる国際大会で見られなくなったのである。
代表入り前年、ブラジルからイタリアへプレーの場を移す
ブラジル国籍を持ちながら、代表チーム入りはできないあいだも、レアルは所属クラブでその高いレベルのパフォーマンスを維持していた。2012年からブラジル・スーパーリーガの強豪サダ・クルゼイロに所属しており、2015年には世界クラブ選手権でチームを優勝に導くとともに、自身もMVPに選出される。翌年も同大会で連覇を達成。2017年は南米クラブ選手権を制し、こちらもMVPに輝いた。
そして、いよいよ“代表入り解禁”となる2019年シーズンを前に、レアルはプレーの場所をイタリアへ移す。入団先はイタリア・セリエAの強豪、ルーベ・チヴィタノーヴァだった。
すでにルーベでは、キューバ代表の“先輩”ユアントレーナが活躍しており、また同じタイミングで、サダ・クルゼイロでともに戦っていたシモン、ブラジル代表の司令塔ブルーノ・レゼンデが入団することに。カリブ海・南米大陸色を濃くしたチームに加わるにあたり、レアルは意気込みをこのように語った。
「ブラジルでは多くの栄光を手にすることができました。新しい挑戦としてイタリアを、そしてルーベを選びました。ここには親友のユアントレーナやシモン、そしてブラジル代表で一緒に戦うブルーノがいます。目標は、優勝です」(2018/19シーズン直前会見にて)
ルーベではユアントレーナの対角に入り、切れ味鋭いスパイクを炸裂。特にプレーオフに入ってからはギアをまた一段と上げ、クオーターファイナル初戦(対ヴェローナ)では28得点と大暴れを見せた。その後も20得点越えを連発し、スクデット(リーグタイトル)獲得に貢献、ファイナルの3日後に臨んだ2019ヨーロッパチャンピオンズリーグでも頂点に輝いた。