月バレ!ザ・ワールド/vol.1-イオアンディ・レアル-
- コラム
- 2019.06.13
ネーションズリーグでセレソンデビュー
タイトル獲得を至上命題としたルーベにおいて、見事、ミッションを達成したレアル。イタリアの地でも世界トップレベルのパフォーマスを証明してみせると同時に、その期間は自身にとって代表活動に向けた準備にもなった。
「ルーベで、ブラジル代表のキャプテンを務めるブルーノと一緒にプレーすることができたのはとても光栄でしたし、彼からはセレソンの特徴など、いろんな話を聞かせてもらいました。彼のおかげで、代表チームになじむことができました」(レアル)
クラブシーズンを終えてまもなく、レアルは代表に合流し、ネーションズリーグのメンバーに登録される。国際大会デビューは、大会の予選ラウンド第1週の第2戦(対オーストラリア)。フルセットにもつれた試合の中で、レアルはフル出場を果たし、14得点で代表デビューを飾った。
続く第2週の日本ラウンドでは、3試合すべてに出場。第4戦(対イラン)では16得点、第5戦(対日本)では15得点、第6戦(対アルゼンチン)では18得点とコンスタントに得点を重ねた。中でも第5戦では、高い打点からスパイクを打ち込み、サービスエースこそ1得点だったが、強烈なジャンプサーブで日本のサーブレシーブを崩すなどインパクトを残した。
予選ラウンド第2週を終えて、ブラジル男子代表のレナン・ダルゾット監督はレアルをこう評価した。
「彼がいい選手であることは言うまでもありません。徐々に彼は、チームにフィットしています。合流してまもないので、ディグやサーブレシーブといったディフェンスシステムに関してはこれから上げていく必要がありますね」
「全力でプレーし結果を出す」。それがミッション
昨年の世界選手権でブラジルは、リカルド・ソウザ(ルカレリ)を欠き、オポジットのバラセ・デ・ソウザと、アウトサイドヒッターのドウグラス・ソウザが奮闘を見せたものの、ポーランドの堅固な守備を打ち破るまでには至らなかった。
今年、レアルが加わったことで、その攻撃陣はさらに分厚くなる。現に、ネーションズリーグでは毎試合、アウトサイドヒッター2人を、主にレアル、ルカレリ、ドウグラスからチョイスし、組み立てている。
そんな状況を「喜ばしく感じている」と語った指揮官の目に映る、レアルの人柄とは。
「プレーだけでなく、日頃の練習からとても頑張り屋、です。与えられた指示に対して誠実に応えてくれるタイプ。彼のいいところ、強みを生かしながら、もっともっと代表にフィットするように、監督としても全力を尽くしていきたいと思います」
ブラジル代表をさらに高く押し上げるピースとして、レアルに寄せられる期待は大きい。国を背負って戦う、その舞台に舞い戻ってきた本人はこう語った。
「今年からセレソンでプレーすることができるようになって、とにかくうれしいと感じています。
自分の仕事を全力で一生懸命に果たすこと、それがこのチームにおける私のミッション。いいプレーをお見せすることが、いちばんの大きな目標です」
カリブ海から南米大陸へと移ったスパイカーは、そのアタックでふたたび国際舞台を席巻することだろう。イオアンディ・レアル、世界の男子バレーボール界の主役候補がカムバックした。
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著者紹介:GUCII(グッチー/坂口功将)。2016年春入社。月バレ編集部に配属後、本誌で『WORLD VOLLEYBALL NEWSPAPER』、「月バレ.com」では『WEEKLY SERIE A』を担当。昨年、世界選手権の男女両ファイナルを取材した唯一の日本人記者という称号を得る。だが、英語が特に話せるわけではない。