頂点へのストロングポイント インターハイ王者鎮西高が優勝を振り返る【月バレ2021年10月号】
- 2021.12.30
第74回全日本バレーボール高等学校選手権大会(春高バレー)が1月5日(水)に開幕する。男子は駿台学園高(東京)、東福岡高(福岡)、日本航空高(山梨)など強豪校が優勝を目指してしのぎを削る中、優勝候補の一つにあげられるのは鎮西高(熊本)だ。夏のインターハイを制した選手たちはどのように大会を戦ったのか。月刊バレーボール2021年10月号に掲載されたインターハイ後の座談会で、レギュラーメンバーが大会を振り返った企画を再掲載する。
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大会3日前の決断 ツーセッターに対応した抜群の結束力
大会3日前にツーセッターを導入し、見事優勝した鎮西(熊本)。個々の対応力の高さはもちろん、学年を超えたチームワークも持ち味の一つだ。レギュラーメンバーが、優勝への歩みを振り返る
リモート取材に応じてくれた写真下の(前列左から)髙木、九冨、舛本、(後列左から)平嶋、荒谷、平川。
写真上の平田は別会場から参加
エース舛本の大活躍は「いつもどおり」
――優勝おめでとうございます
九冨 うれしいです! 最後まであきらめずにみんなで頑張ったことが、結果につながったと思います。
――予選グループ戦で駿台学園(東京)に負けてスタートしました
九冨 コロナ禍で全然公式戦がない中、このチームでの初めての試合(全国大会)でした。結局自分たちのミスで負けましたが、第1セット終盤まではリードしていて、ちゃんと戦えばいけるんじゃないか、という自信がつきました。初戦で対戦できてよかったです。
舛本 負けても次に勝てばいいと言われていたので、そこで戦えたのはいちばん大きかったと思います。自分たちのプレーができていなかったので、最高の形で挑めば勝てると思いました。
――準決勝の東福岡(福岡)戦では平嶋選手が負傷しました
平嶋 第1セット終盤にブロックした際、左手の小指を脱臼しました。交代になり、コートの外で試合を見ていました。自分が抜けて空気が重くなったと感じましたが、九冨くんが頑張ってくれました。声にしても、プレーにしても、いちばんチームを引っ張っていたと思います。
九冨 そのとおりです!(笑)でも、ほかのみんなも頑張っていました。真ん中からの攻撃がなくなったことでサイドにブロックがつきやすい中、エース2人が決めてくれました。
平田 決められた部分はありましたが、舛本選手がすごかったので、ちょっと悔しいですね(笑)
舛本 そんなに決めてないです! みんなのフォローがあったので、思い切り打つことができました。
九冨 2人ともすごかったです!
舛本颯真
ますもと・そうま/2年/アウトサイドヒッター/身長182cm/最高到達点330cm/龍田中(熊本)
★決勝では49得点をマークした絶対的エース。ベスト6に選出
――決勝は駿台学園とのフルセットの激闘でした。先に2セットを取られ、4度マッチポイントを握られましたが、どんな心境でしたか?
平川 正直、第5セットで12-14になったときに、ヤバいな、と思いました。
舛本 自分は2セットを取られて、ヤバい、負けると思いました。でも、(宮迫竜司)コーチが「第3セットを取ったら流れが変わる」と言ってくれて、そこからほんとうに自分たちのペースになったと思います。
平田 正直、ずっと負けると思っていました。でも、1点1点集中してガンガン攻めようと思いました。
荒谷 負けるかなと思いましたが、みんな1点1点しっかりプレーできていたので、やっぱりすごいと思いました。
平田悠真
ひらた・ゆうま/2年/アウトサイドヒッター/身長192cm/最高到達点330cm/合志中(熊本)
★舛本の対角としてチームを牽引。先輩にもものおじしないムードメーカ―
――下級生は不安を感じながらプレーしていたそうですが、3年生はいかがでしたか?
平嶋 正直、決勝ではケガのことは気にしていなくて、自分がやるべきことを常にしようと考えていました。最後はやるしかないという気持ちでした。
髙木 自分も一つずつできる仕事をやっていこうと思っていました。
九冨 「勝ち負けは気にせず、目の前のプレーに集中しよう」という声かけを全員でしていたので、みんなの前向きな姿勢が優勝につながったと思います。
平嶋 晃
ひらしま・あきら/3年/ミドルブロッカー/身長195cm/最高到達点335cm/梅林中(福岡)
★梅林中3年生時には全中選抜、鎮西高1年生時にはU18日本代表候補メンバー入り