愛知工大名電高が3年ぶりに激選区を突破 本戦では目標のベスト8越えへ【春高愛知県予選(男子)】
- 2022.11.24
第75回全日本高等学校選手権大会(春の高校バレー)愛知県代表決定戦が11月23日(水・祝)に豊田合成記念体育館エントリオ(愛知)で行われた。男子は愛知工大名電高が大同大大同高に3-1(25-18,25-18,22-25,25-20)で勝利し、3年ぶり18回目の本戦出場を決めた
優勝が決まり、拳を握る愛知工大名電の選手たち
愛知工大名電高、大同大大同高、そして星城高。中学時代から切磋琢磨し、高校では1年生時から主力を務めてきた3年生を軸に、例年以上にハイレベルな戦いを繰り広げてきた愛知県予選。その3校による選抜チームとして臨んだ国体では準優勝に輝き、より注目を集めた今大会を制したのは、愛知工大名電高だった。ビクトリーポイントを決めたエースの笹本穏は「3年間春高にいけなかったので、いけたのがうれしくて」と目を真っ赤にして喜んだ。
準決勝で星城高にストレート勝ちした大同大大同高との決勝。第1セットは11月15日(火)の会場練習で左足の甲を痛めたエース笹本穏が、「自分がエースなので。ケガを気にせずに、決めきるべきところを決めました」と高い打点からのスパイクで得点を重ねる。中盤まで競り合う展開が続いたが、16-15から持ち味のブロックで相手のミスを誘い、4連続得点。25-18でセットを先取した。
続く第2セットはサウスポー田中誠也が存在感を発揮。2回戦で東福岡高(福岡)に敗れた8月のインターハイ以降、「相手のレシーブ位置を確認して、ブロックアウトでボールを飛ばせるように練習してきました」という成果を発揮し、強烈なバックアタックでサイドアウトを取った。21-18とリードを広げた終盤には、連続サービスエースを含む3連続得点を決め、優勝に王手をかけた。
サービスエースを決め、仲間と喜ぶ#9田中(愛知工大名電)
第3セットは足に痛みが出た笹本を1-2で、また4-10と点差が広がった場面で田中をそれぞれベンチに下げた。しかし、笹本の代わりに入った丹羽優斗、田中の代わりに入った新涼太朗が躍動。セットを落としたものの、最大8点ビハインドから22-25まで追い上げた。瀧澤舜斗キャプテンは「次につながるセットだったと思います。4セット目は出だしからもう1回気持ちを作り直して、向かっていく気持ちを持って臨むようにみんなで話し合いました」と振り返る。
第4セットはコートに戻ってきた笹本と田中のスパイクを軸に得点を重ね、中盤まで一進一退の攻防を繰り広げた。16-17とリードを許す場面もあったが、田中のスパイクで同点に追いつくと、相手のミスもあり21-17と逆転。25-20で勝利し、北川祐介監督は「途中で出た丹羽やリリーフサーバーで出た廣瀬(大)と石原(圭悟)、アナリストの鈴木(奏)、3年生全員がチームをまとめてくれて、『名電を全国大会に行かせよう』と押し上げてくれたので。ほんとうに3年生が成長してくれたと思います」とたたえた。
本戦では目標のベスト8へ。瀧澤キャプテンは「インターハイで全国の壁にぶつかって東福岡高に負けてしまったので。今度はその壁を乗り越えられるように。これからあと1ヵ月ぐらいで成長できるように頑張っていきたいです」と意気込んだ。ライバルたちの思いを胸に、選手たちにとって初の春高の舞台に乗り込む。
記念撮影に応じる愛知工大名電の選手たち
大同大大同高
セッター平松を中心に
後悔なき準優勝
大同大大同高は、変幻自在の攻撃で2,800人の観客を沸かせた。渡邉大和キャプテン、サウスポーミドルブロッカー座禮楓人を軸にコンビバレーを展開。その攻撃を組み立てたのがセッター平松陸哉だ。積極的なツーアタックだけでなく、前衛時にはスパイカーとして渡邉からのトスを打ち込む場面も。19本のアタックを放ち、相手をほんろうし続けた。
勝負どころでのミスが響き、選手たちにとって初の舞台を逃したが、平松は胸を張った。「自分はけっこう目立ちたい気持ちがあるので(笑) セッターですが、点数を決めてチームに貢献したいという思いから、スパイクを打ったり、ツーアタックを打つようになりました。負けてしまいましたが、後悔はありません。きちんと自分のプレースタイルを出せたと思います」。
平松と同じく1年生時から主力としてプレーしてきた渡邉キャプテンも「悔いなくプレーができて、楽しいバレーができてよかったと思います。『決めたいときに決めきれる』スパイカーになりたかったので、ここだというときに決められてよかったです」と振り返った。
今季は3月の全国私立高等学校男女選手権大会(さくらバレー)、5月のインターハイ県予選で2位。頂点にはわずかに届かなかったが、発想力豊かなプレーで見るものの心を揺さぶり続けた。
積極的に攻撃を展開した#2平松(大同大大同)
文・写真/田中風太(編集部)、淺井恭子
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