春高連覇を達成した駿台学園 亀岡聖成が1年前に決意したこと「厳しくすべきところはしていかないと」【月バレ2023年3月号プレーバック】
- 2024.01.10
第76回全日本バレーボール高等学校選手権大会(春高)は1月8日に閉幕。男子は駿台学園が連覇を飾り、昨夏行われたインターハイとの二冠も達成。誰が出ても高い精度でプレーするチームをけん引した主将の亀岡聖成や、ミドルブロッカーの秋本悠月ら多くの選手は、前回大会でもセンターコートでプレーした。
前回、第75回大会の決勝はエース舛本颯真(現・中央大)擁する鎮西に2セットを先取され、後がなくなった第3セット、10-14とリードされたところで当時1年生だった高澤大馳と川野琢磨を投入。流れを変えると、逆転に成功して一気に頂点へ駆け上がった。
月刊バレーボール2023年3月号では、前回大会優勝後に1・2年生の下級生対談を行なっており、彼らの1年前の様子を知ることができる。前回の春高優勝をどう振り返り、どのように先を見据えていたのだろうか。本誌を再掲載し、振り返ってみよう。(月刊バレーボール2023年3月号掲載記事を再編集したもの。本文は当時の内容のまま)
------以下、月刊バレーボール2023年3月号より------
駿台学園1・2年生座談会座談会
バチバチのメンバー争いで全国三冠へ
後がなくなった決勝の第3セット、試合の流れを変えたのが途中出場の1年生だった。熾烈なメンバー争いを勝ち抜き、今大会で活躍した下級生たちが、その秘けつを語った
【プロフィール】(写真右から)
秋本悠月
あきもと・ゆづき/2年/身長191㎝/最高到達点330㎝/サレジオ中(東京)/ミドルブロッカー
1年生時からレギュラー。一人時間差攻撃など得点パターンが豊富
亀岡聖成
かめおか・せな/2年/身長180㎝/最高到達点322㎝/駿台学園中(東京)/アウトサイドヒッター
攻守の要。第14回アジアU18(ユース)選手権大会ではベストリベロ賞に輝く
高澤大馳
たかざわ・だいち/1年/身長180㎝/最高到達点337㎝/駿台学園中(東京)/ミドルブロッカー
身体能力の高さが持ち味。決勝は途中出場で川野とともに投入
三宅雄大
みやけ・ゆうだい/2年/身長177㎝/最高到達点322㎝/駿台学園中(東京)/オポジット
決勝は川野と途中交代も、得点力の高いサウスポー
川野琢磨
かわの・たくま/1年/身長192㎝/最高到達点324㎝/渕江中(東京)/アウトサイドヒッター
中学3年生時のJOC杯では東京都選抜の優勝に貢献し、JOC・JVAカップを受賞
誰が出ても精度が落ちないプレー
――優勝してからの変化はいかがですか?
秋本 周りからいろんな目で見られるので、しっかりするようになりました。
亀岡 優勝してもあまり変わりませんが、変なことできないというか(笑)
新チームでも全員が同じ精度のバレーをすることが目標です。誰かができればいいのではなくて、全員が同じようなパフォーマンスができるように、基本的なプレーから練習するようにしています。
――2回戦(対弘前工)で川野選手と高澤選手が、3回戦(対大村工)で亀岡選手と三宅選手がスタメンと、準々決勝までは試合ごとにメンバーが変わりました。そこで力を発揮できる理由は何ですか?
川野 自分はどちらかといえば交代でコートに入るので、レベルを下げないようにすることを意識しています。練習試合からいろんなメンバーが出ていて、交代してもあまり動揺はしませんでした。
三宅 誰が出ても精度が落ちないので。選手どうしで負けたくない気持ちはすごくあると思います。ダメだったらすぐに代えられて、メンタルがやられることもありますが(笑) 同じポジションの(川野)琢磨のことは入学してきたときからずっと意識しています。
――ふだんからチーム内競争が激しく、精神面も鍛えられている皆さん。今大会でプレッシャーを感じた試合はありますか?
三宅 (準々決勝の)東福岡戦ですね。国体では勝ちましたが、その試合は自分と亀岡が出ていなくて。自分たちが出て負けたら「国体のほうがメンバーがよかった」と言われてしまうので、絶対に負けられないという思いでした。
亀岡 前回負けたので、東福岡が本気で向かってくることはわかっていました。簡単に勝てると思っていなかったので、とにかく受け身にならないように。チームの課題であるダブルヘッダーの2試合目というのもあって、意識しましたね。
秋本 (決勝の)鎮西戦がきつかったです。チームの雰囲気はよかったですが、先に2セットを取られて。焦ってしまうタイプなので、国体はストレートで負けたこともあって「やばいな」と思いましたが、1年生が流れを変えてくれました。琢磨は人が変わったみたいにコートを走り回っていて、頼もしかったです。
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