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「女子はレシーブ」 固定観念を覆すブロック改革 小さいチームにもできること【細田学園高 伊藤潔美監督×小川良樹エグゼクティブアドバイザー対談②】

  • 2024.01.02

第76回全日本高等学校バレーボール選手権大会(春の高校バレー)が1月4日(木)に開幕する。細田学園高(埼玉)には、昨年11月から頼もしいスタッフが加わった。昨年度まで下北沢成徳高(東京)で監督を務め、多くの日本代表選手を育ててきた小川良樹氏が、エグゼクティブアドバイザーに就任。30年以上切磋琢磨してきた伊藤潔美監督とともに、春高への思いを語った。対談の第2回は、強化してきたブロックについて(第1回はこちら

 

 

小川エグゼクティブアドバイザー就任後、力を入れてきたブロック

 

——エグゼクティブアドバイザーに就任し、まずはブロック練習に力を入れたそうですね

 

小川 我々世代の女子の指導者は、最初にレシーブ練習を教わるんですよ。ボール出しから教わって、先輩諸氏から徹底して「それがうまくならないと一流のチームはつくれない」「レシーブを教えられない指導者は先がない」と言われました。ボール1個分右、2個分左、そしてときにはフワッと打ったり。ほんとうに寸分違わず、変幻自在にボールを出せないとダメだと。だから、食い入るように指導者の方たちのボール出しを見てきました。マニアックにレシーブを語れるような方じゃないと、全国上位にはいないと思います。レシーブに関しては、我々世代は一言も二言も、三言もありますよね(笑)

 

伊藤 そうですね(笑)

 

小川 ただ、「女子はレシーブだ」とやってきたので、残念なことに誰もブロックのことを教わっていないんです。私もレシーブやスパイクは自分なりに学んできたことや考えもありましたが、53〜54歳のころに、「ブロックのことは全然教えていないじゃん」と思って。ブロックをよく知る方に随分と習いに行きました。

 

 ブロックはトータルディフェンスの最初のプレーです。女子でもしっかり取り組まないと、いくらレシーブを練習しても、最終的には複雑な攻撃に対応できなくなり、後ろの守りが崩れてしまいます。そういう意味でも選手たちに落とし込めるぐらいのノウハウを持たないといけないと思って、成徳(下北沢成徳高)で監督をした最後の10年は、ブロックを基準にどうチームをつくるかを考えていました。周りからはあまり言われませんでしたが、優勝した2013年の春高は、要所要所でブロックがよかった。監督晩年に優勝回数が増えたのはブロックのおかげだと思います。

 

 細田(学園高)は伊藤先生が鍛えてこられて、ディフェンスのいいチームです。ただ、個人技としてディフェンス能力を上げても、チームとしてブロックをきちっと戦術として落とし込まないといけません。ブロックで止まる、止まらないということだけではなく、ブロックと連動したポジショニングの考え方をきちっと伝えることが重要です。

 

 今年度は身長が低くても、正しく教えておかないと来年入ってくる選手たちにきちっと伝ぱしてきません。身長が低かろうが、選手たちにきちっと今年1年間で伝えていくと、細田に文化としてブロックが根づいていくと思います。今はその基本に取り組んでいます。もともとあったレシーブ力にブロック力を合わせればどうなっていくんだろうな、と楽しみです。

 

【次ページ】ブロックがきちっとできることでこんなにチームができ上がっていく

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