目標の日本一へ 洛南高がライバル東山高を下して3年ぶりに本戦へ【京都府インターハイ予選(男子)】
令和6年度全国高等学校総合体育大会バレーボール競技の部兼国民スポーツ大会少年男女の部兼近畿高等学校優勝大会京都府予選会は、6月16日(日)に舞鶴文化公園体育館(京都)で大会最終日が行われた。男子は決勝で洛南高が東山高にストレート勝ちし、3年ぶり23回目の本戦出場を決めた
#5中上烈キャプテンを中心に、3年ぶりに優勝した洛南高(コート手前)
サーブで主導権を握り
両セット20点以下に抑える快勝
3月の全国私立高等学校男女選手権大会(さくらVOLLEY)で準優勝し、洛南高が目指すのは日本一。それでも、一筋縄でいかないのが府予選だ。細田哲也監督が「京都はレベルが高い。いちばんの正念場」と位置付けたライバル東山高との決勝。セッター樋口卓朗も強い覚悟で臨んでいた。
「春高は去年の3年生に行かせてもらいましたが、インターハイは入学してから行ったことがなくて。春高のほうが(懸ける)思いが強いと思われることがありますが、自分たちは絶対にインターハイを取りにいく、という気持ちでずっと練習していました」
終わってみれば第1セットは25-16、第2セットは25-14と、ともに20点以下に抑える快勝。試合を優位に進めたのは、指揮官が「いつもは『弱い』と言うことが多い」と語るサーブだった。
第1セットは料治慧のサーブから4-1とブレイク。さらに、今季注目のエースである中上烈キャプテンのブロックなどで7-2と序盤からリードを広げる。中盤には中上キャプテンの豪快なサービスエースを含む3連続得点で18-11と点差をキープし、25-16で圧倒した。
強烈なサーブが光った酒井
第2セットも酒井星英のサービスエースを含む5連続得点でいきなり5-0。さらに、8-2からは吉田海斗のサーブで相手を崩して樋口が多彩な攻撃を展開すると、13-2と大差をつけた。吉田らエース以外のスパイカーが輝いたそれまでとは違い、中盤からは中上キャプテンが高校トップクラスのスパイクを次々とたたき込む。終始リードを保ったままセットを連取し、3年ぶりのインターハイの切符を手にした。
昨年度は5年ぶりの春高を経験し、今年度はその主力が多く残る。だが、準優勝した3月のさくらVOLLEYでは攻撃面の課題が露呈した。勝負どころでは多くのトスが中上の元へ。樋口は「ほかの選手に決めさせられなくて。終盤で競るとエース勝負になり、(中上)烈頼りになってしまいました。烈は決めてくれますが、それだけでは通用しない」とスパイカー陣の成長を追求。「烈だけではなく、全員で。いろんなところから攻撃していけたら」と語った吉田をはじめ、取り組んできた成果を見せた。
インターハイでもカギを握るセッター樋口のトスワーク(コート奥#6)
ライバルに挙げるのは昨年度の春高で連覇し、3月のさくらVOLLEYで敗れた駿台学園高(東京)。まだ本戦の出場権は獲得していないが(代表決定戦は6月23日〔日〕)、今季も高校バレーを牽引していく存在になりそうな強敵だ。中上キャプテンは「僕も含めて、勝ちたいのは洛南高校全員の気持ちだと思うので。全国制覇を目指して、駿台(学園高)に勝つことを目標にやっていきたいです」と力強く宣言した。
東山高
注目ルーキー岩田が活躍も
3年生の奮起がカギ
2年前は初優勝、そして昨年は準優勝とインターハイで結果を残してきた東山高は、3年ぶりに本戦出場を逃した。
ルーキーながら主力の働きを見せた#6岩田(#3は鎌田侑來)
準決勝までは堅いサーブレシーブを起点とした多彩な攻撃を見せたが、決勝ではその持ち味を発揮できず。松永理生監督は 「当然、技術的なものは積み上げてきましたが、(決勝では)まったく出せなくて。メンタルの部分で自分たちから仕掛けていけなかったところが問題かなと思います」と振り返った。
中之口中(新潟)3年生時には全中を制し、JOC杯では最優秀選手賞にあたるJOC・JVAカップを獲得。U16日本代表、そして全国中学生選抜でもキャプテンとして活躍した岩田怜緯は、1年生ながら主力として活躍した。指揮官は「頑張ってくれました」とたたえる一方で、「1年生に頼るかたちになってしまったところがいちばんの敗因でしょうね」と3年生に奮起を求めた。
16日の試合結果
決勝
洛南 2(25-16,25-14)0 東山
準決勝
洛南 2(25-9,25-11)0 北嵯峨
東山 2(25-17,25-10)0 大谷
3位決定戦
北嵯峨2(25-19,25-20)0 大谷
3位決定戦を制した北嵯峨は、4人の1年生がスタメン入り。昨年のJOC杯では京都府選抜を準優勝に導いた#9田内聖也、#10増田大ら、今後が楽しみな選手がそろう
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