【リベロがBクイック】挨拶は「GO Fushimi!!」【世界バレー番外編】
- コラム
- 2018.12.07
皆さんこんにちはっす!お久しぶりのカメラマンNっす。もう12月、今年も終わりますね。男子世界バレーで「リベロがBクイック」にお付き合いいただきましたが、番外編な話があったので皆様にお送りしようと思います。
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それは世界バレーの1次ラウンド、フィレンツェでのこと。スロベニア対日本の試合が終わり、月バレ編集のSと宿に戻る途中、夕食にピザをテイクアウトして帰ろうという話になりました。生ハムと卵のピザを注文し、店の外で焼き上がりを待っていると体格の良い4人組の男たちに話しかけられました。一瞬不安がよぎります。だって、体でかいし、顔怖い気がするし。
「キミ、会場で写真撮ってただろう?」
あれ?怖くない。むしろ親しげ。彼らの顔をよく見て、「あっ!」となりました。
ここで2時間ほど時間を巻き戻します。試合中、コートサイドの観客席には、たくさんの日本の方たちが座っていました。その横に4人組の男たちが座って日本を応援しています。お?イタリアの人かな?いや、違うかな?と一瞬気になったものの、仕事熱心なカメラマンNの意識はすぐに試合中のコートへと戻ります。第5セット、伏見選手が小野寺選手と交代してコートに入った時のことでした。その4人組はこう叫びました!
「Go!! Fushimi!!」
他の選手の名前を叫ぶことはなかったのに、伏見選手の名前だけはすごい叫んでいます。それで僕の頭に彼らが焼き付けられました。
伏見選手への声援から全ては始まった
時間はピザ屋に戻り、僕は答えます。
「君たちは伏見選手の応援してたよね!」
「そう!伏見!彼は日本人の中でとても体が大きいよね。応援してたんだ。今日は良いクイックを決めてたね!」
彼らは伏見選手のことを気に入って応援していたあの4人組でした。ピザができあがるまでの立ち話でしたが、彼らはチェコから世界選手権を見に来たバレーボール選手たちだということが分かりました。だからそんなに体がでかかったのね。日本、そして伏見選手を応援してくれた彼らに親しみを感じて、連絡先を交換して別れたのでした。
11月まで時間を進めます。伏見選手応援団チェコ支部4人組のうちの1人、童顔の爽やかイケメン、オンドラから連絡が入りました。
「東京に行くんだけど会えるかな?」
メッセージの最後には
「Go Fushimi!!」
こちらも「Go Fushimi!!!」と返して、チェコから来た彼と編集Sと僕の3人でご飯を食べながら色々な話をしました。
オンドラとのメッセージのやり取り。「Go Fushimi!!」がもはや挨拶
彼のおじいさん、お父さん、お母さん、いとこもバレーボール選手でチェコのナショナルチームの選手だったこと。バレーを始めたのはそんな家族の中で育った彼にとっては自然な流れだったこと。あの時会った4人組のうちの3人は小さい頃から一緒にバレーをしてた友達だったこと。彼はセッターをやっていること。今は関西の大学で研究をするために2週間日本に来ていること。チェコでは二部や三部のチームで友達もそれぞれプレーしていること。バレーだけでなく別の仕事を持って働きながら続けていること。男子の世界選手権ではセルビアが優勝すると思っていたこと。
僕らの下手な英語にも一生懸命耳を傾けてくれるオンドラからたくさんの話を聞きました。3ヶ月前にはお互いの存在すら知らなかった僕らが、世界バレーで訪れたイタリアで、伏見選手をきっかけに知り合い、東京で再会して、チェコのバレーのことや、そこで暮らす人たちのことを楽しく話しているなんて、誰に想像できたでしょうか。時折、取材をしていると、こういう不思議な縁に出会います。伏見選手のおかげっす。ありがとうございます。あ、もちろんオンドラには月バレと絶賛発売中のチームの顔も渡しました。ちゃんと東レアローズのページを開き、伏見選手が大きく載っていることも伝えたっす。
最後に、いつになるかは分かりませんが、オンドラと再会する日まで時計を進めましょう。間違いなく僕らは、こう言って笑顔で挨拶しているはずっす。
「Go Fushimi!!」
イタリアで知り合い、東京で再会したチェコ出身のオンドラ。また会おうね!