今のうちからきちんとケアをしてあげたい
創部90年。数多くの選手を輩出する日本体育大学男子バレーボール部が トップアスリートから部活生まで数多くの競技者をサポートするザムストとパートナーシップ契約を締結した。 パフォーマンスを最大限引き出すための環境づくりとは。チームを率いる山本監督に話を伺った。
バランスを整えて成果につなげることが私の役割
――ザムストと提携された狙いやメリットについて
指導していく中で、やはり学生にはケガもありますので、サポーターやコンプレッションスリーブなどを提供いただけると非常に助かりますということを、今回お話をいただいた中でお伝えしていました。
4年間ケガなく卒業してくれればいちばんですが、特に下級生のうちは弱い部分もたくさんあります。サポーターで補強したり、古傷を持っている選手に対してはそこをサポートできる知識などの部分でもお力添えをいただければと思っています。
「こういうサポーターやテーピングがあればケガの予防になるよね」といったことも、トレーナーを通じて相談させてもらっています。
ケガにはいつも気をつけていますが、1年間の強化計画の中では、練習強度にも何ヵ月かの単位で強弱が発生します。特に強化期の間は、やはりサポーターも必要ですし、栄養管理も含めてたいへん気を遣いますね。
サポーター以外にはチーム全員がマウスカバーを着用している
――パフォーマンスとコンディションのバランス、両立の難しさはいかがでしょう
バランスが難しいと言われますが、監督として、指導者として、教員として、そのバランスを整えることが仕事です。学生たちが成長するためにプランを考えて実行していく中で、難しいのは当然。ですが、そこを整えて成果につなげなければ、と思っています。
今年は春から試合がなく、秋にようやくゲームができるようになってきた、というのはどの大学も同じ。苦労しながらいろいろなことを試したりしているのは、みんなそうだと思うのですが、そこを調整するのが指導者の役割です。それが成功したのか、していないのかはわかりませんが、「勝つ」という目標に対して、今回関東の秋季リーグ戦で優勝できたということは一つよかったのかな、と思います。
自分と同じ経験をさせたないためにしっかりサポートしてあげたい
――監督は現役時代にケガの経験がありますか?
ありましたね。日本代表のときに両足首をねんざし、最終的には手術しました。24か25歳のときかな。所属していたJTサンダーズでも、周りにそういったいろいろなケガを持っている人たちがいました。ですから当時を思うと、やはり学生のうちからきちんとメンテナンスをしてあげられればいいな、とほんとうに感じます。
――学生にはどういうことを学んで巣立ってもらいたいか教えてください
4年間でたくさんのことを経験して、そこで山本健之という人に会って。中学高校といろいろな指導者、先生に会ってきたと思いますが、大学ではこういう先生に会って、また何か違うものを感じてもらって、あとは自分の努力を続けることです。その結果、今夏のオリンピックではOBOGの3人と髙橋藍が選んでいただきました。
髙橋はまだ在学生です。もっといろいろな経験を積んでいけば、彼ももっと勉強できるでしょうし、そうしてもらいたい。そういった彼らの成長、そのための協力なら、我々はいくらでもしようと思っています。
Nippon Sport Science University VOLLEY BALL TEAM
\Player’s voice/
市川 健太 -Ichikawa Kenta- 4年/リベロ
[着用アイテム:アームスリーブ]
毎日のストレッチは1日の終わりのルーティン
これまで大きなケガの経験がないという。高校2年でスパイカーからリベロに転向し、足首サポーターも、それ以降は外している。
「大事なのはコンディションです。練習前やお風呂上り、1日の終わりのストレッチなどはルーティンになっています。トレーナーからの指導で、用途に合わせて行っているので、ケガをしない体の強さにつながっていると思います。食事では栄養バランスもそうですが、特に量に気をつけて、体重を落とさないように、頑張ってしっかりとることを心がけています」
最近は練習時からアームスリーブを着用。「ボールタッチの感覚もいいですし、少し腕が軽い感じもあります。今は、ないと気持ち悪いですね(笑)」
鬼木 錬 -Oniki Ren- 3年/ミドルブロッカー
ガッチリしたホールド感があってネンザの心配がなくなった
「大学1年のとき、別の球技の授業で足首をねんざしました(笑)」と話す。右足首のサポーターを着用しており、「ネンザして、ずっと痛かったためテーピングをしていましたが、サポーターを着けるようになってからはこれだけです。しっかりした固定力、ガッチリしたホールド感があってねんざの不安や心配がありません」。実はシューズのサイズが32㎝、という規格外の彼はサポーターも海外サイズで対応している。
試合が続く中で意識するのは食事管理。たんぱく質や脂肪の摂取量は自分に合った数字を把握しており、長期的な体重変化はあまりないとのこと。持ち味の高さを生かしたブロックやスパイクで、これからもチームに貢献を誓う。
髙橋 藍 -Takahashi Ran- 2年/アウトサイドヒッター
足首サポーターやアームスリーブはマストアイテム
高校時代はよくねんざをしていたこともあって、両足首にサポーターを装着。現在はひざの痛みと付き合っているが、感覚的に、ひざには何も着けたくないという。
「気を遣っているのは食事と、睡眠の質です。ストレッチを行って血流をよくして寝るようにしています。疲労は蓄積していきますが、その幅をできるだけ軽減できるように」。成長ホルモンが分泌されるタイミングや栄養のとり方など、回復スピードも意識しており、夜は遅くとも12時までに就寝し、8時間睡眠を心がける。
そして今はやはりアームスリーブが好感触だった。「レシーブの感覚もよく、汗でボールが滑ることもなくなり気に入っています。紺色デビューしました、ニッタイカラーで(笑)」
小田 涼太 -Oda Ryota- 4年/アウトサイドヒッター
[着用アイテム:アームスリーブ]
アームスリーブは汗が腕につかず滑る心配がない
ビーチバレーボールで20年、21年と連続で大学王者に輝いた。インドアでは高いジャンプからの着地で人の足を踏んでしまい、足首を受傷するケースが多く、「高校のときから結構、ねんざしやすくて。大学でも大きなねんざがありました。それもあって、足首は以前からザムストのサポーターを使用していました」と話す。今は特に痛みや違和感がないため足首のサポーターは着けていないが、その代わりにアームスリーブを着用し始めている。「いちばんのポイントは汗がボールにつかず、滑る心配がなくなることです。疲れが腕にたまらないのもいいですね」。ビーチで使ったことはまだないが、冬場は寒さ対策としてもいいのでは、と期待を寄せている。
福嶋 晃介 -Fukushima Kosuke- 4年/アウトサイドヒッター、オポジット
[着用アイテム:ZK-7]
着脱もカンタンで今となっては手放せないヒザサポーター
小田とのペアでビーチバレーボール2年連続日本一を経験。大学では、ほかの選手と接触して足首をねんざした経験があるほか、ヒザの痛みと付き合うようになったという。「体作りでは食事にいちばん気をつけており、毎回、野菜をとるようにしています。野菜が好きなので、食べないと気がすまないのですが(笑)」。現在、足首にはサポーターを着けていないが、昨夏からヒザのサポーターを着け始めた。「その前はずっとテーピングを巻いていました。自分の中ではサポーターに抵抗があったのですが、トレーナーさんに勧められて使ってみたところ、結構動きやすかったです」とのこと。着脱も楽で、今はサポーターでの競技生活に馴染んでいる。
武藤 茂 -Muto Shigeru- 3年/ミドルブロッカー
[着用アイテム:ZK-7 / JK-1 / A1 / FA-1 ]
安心してプレーできるホールド感と動きやすさがお気に入り
ミドルブロッカーとしては必ずしも長身ではないが、高いジャンプが持ち味で、両足首と両ヒザにサポーターを着用。右ヒザは、ハードアポーとタイプを着けており「ホールド感があり、安心して動ける感じです」。左ヒザはお皿を中心にサポートするミドルサポートタイプで「何て言うんだろう、動きやすさがあります」とのこと。足首はないと少し不安になるくらい、サポーターを着けることが習慣となっている。コンディショニングで意識しているのは「毎日のストレッチと、マッサージガンという器具をかけること、あと筋力トレーニングは一週間のうちに全身まんべんなく刺激を入れるようにしています」。トレーナーともコミュニケーションを欠かさず、高い意識で過ごしている。
池城 浩太朗 -Ikeshiro Kotaro- 2年/アウトサイドヒッター
[着用アイテム:アームスリーブ]
程よい着圧とフィット感が好き
「自分は身長が低いので、大学で通用するためにはどうしても筋力を増やさないといけないと思って、ウエイトトレーニングに力を入れてきました。それを持続させるための有酸素トレーニングにも取り組んでいます」。ねんざの経験があり、負担の大きな下肢には疲労がたまりやすいため、ケアにも気を使っているという。ただ、現在着用しているのはアームスリーブのみ。「生地もフィット感も、とてもよくて、レシーブなどでのボールタッチが素肌と違ってやりやすいです。継続して着けようと思います。マウスカバーもいいですね。通気性があって楽です。肌触りもよくて、ふつうのマスクとはぜんぜん違います」。上級生となる来年度の飛躍へとつなげたい。
柚木 悠雅 -Yunoki Yuma- 4年 /チームスタッフ(トレーナー)
[着用アイテム:マウスカバー]
サポーターは自分で締め具合を調整できるのがポイント
1年生の夏から学生スタッフとして、もともと興味があったというトレーナーに就任した。「選手のケアをしたり、テーピングを巻かせてもらったりすることが楽しいと感じており、卒業後は専門学校に通ってトレーナーの道に進もうと思っています」と展望を話す。「テーピングがいい選手もいれば、サポーターがいい選手もいる」とのことだが、サポーターは自分で締め具合を調整できるのがポイント、というのはトレーナーとしてのコメント。チームメンバーとして、マウスカバーを愛用している。「呼吸しやすくて、とてもいいですね。ふつうの不織布マスクをつけたあとにこれをつけて、また不織布マスクをつけると…もう戻れなくなっちゃいます(笑)」