RUS20/21[第19節]ウレンゴイが去りゆく指揮官へ捧ぐ連勝
- 海外
- 2021.02.04
世界三大リーグと称される、イタリア、ロシア、ポーランドから、ロシア・スーパーリーグの模様をゲームラウンドごとにお届けする『WEEKLY SUPER LEAGUE from RUSSIA with LOVE』。1月下旬の第19節では上位勢によるホットな直接対決が繰り広げられました(Photo:volley.ru/Deta:VolleyService.ru)
※ポジション表記/OH …アウトサイドヒッター、OP…オポジット、MB…ミドルブロッカー、S…セッター、L…リベロ
■プラチ監督ありがとう! ウレンゴイがノヴォシビルスクに2連勝
[MATCH OF THE ROUND]
◆《第19節》
ファッケル・ノヴィ・ウレンゴイ 3–1 ロコモティブ・ノヴォシビルスク
(25-23,25-21,20-25,25-15)
(現地1/23)
◆《第7節》
ファッケル・ノヴィ・ウレンゴイ 3–2 ロコモティブ・ノヴォシビルスク
(25-21,16-25,16-25,25-19,18-16)
(現地1/24)
『FAKEL(ファッケル、ファーケル)』とは、「TOACH(松明)」のロシア語。その名のとおり、ウレンゴイにはOHドミトリー・ボルコフ(ロシア)やLエリック・ショージ(アメリカ)といった、闘志を全面に押し出す選手がロスターに並ぶのが特徴だ。
1996年に創設されたチームはスーパーリーグで上位の成績を収め、『2006/07 CEVカップ(現CEVチャレンジカップ)』では優勝、2018年の世界クラブ選手権では銅メダルを獲得した実績を持つ。今季は出だしこそ2連敗とつまづいたが、以降は連敗もなく、着実に白星を重ねている。
ボルコフ(写真中央)やショージ(同右)らの激しい感情表現
現地1月23日には第19節、翌24日は延期されていた第7節が行われ、ノヴォシビルスクとの連戦となったが、その中で奮闘を見せたのはボルコフ。初日は4本のブロックポイントを含む19得点、翌日は20得点と、いずれもチーム最多得点をはじき出し、連勝に導いた。試合を振り返り、ボルコフは「ノヴォシビルスクのサーブは強烈だから、こちらとしてはサーブレシーブがとりわけ重要だった。それに自分たちは攻撃でのミスが少なかったよね」と勝因を語った。
なお、この週末はカミロ・プラチ監督に代わり、ロマン・ヤコブレフAC(アシスタントコーチ)が代理でベンチに座ったウレンゴイ。その後、プラチ監督は健康上の理由から(現在64歳)退任を発表した。2016/17シーズンから指揮を執り、世界クラブ選手権3位は功績の一つ。チームはSNSで『彼の仕事ぶりと献身、そしてプロ意識に感謝します。健康と、これからの平穏な生活を願っています』とメッセージをつづった。
ノヴォシビルスクの大砲OPドラジェン・ルブリッチ(セルビア/写真コート手前)には第7節で35得点を喫したが、勝ち星をつかんだウレンゴイ(同奥)
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◆《第19節》ゼニト・サンクトペテルブルク 3–1 ゼニト・カザン
(21-25,25-17,25-17,27-25)
(現地1/23)
今季3度目の“ゼニト・ダービー”。今回はホームのサンクトペテルブルクが、OPビクトル・ポレタエフ(ロシア)が18得点、OHイゴール・クリュカ(ロシア)が15得点をあげたほか、守ってはMBイバン・ヤコブレフ(ロシア)とMBパシトスキ・ドミトリー(ロシア)の両ミドルブロッカーがともに4本のブロックポイントをあげて勝利。今季の対カザンは2勝1敗と勝ち越したわけだが、今後プレーオフで対戦があってもおかしくない。決着がつくのは、まだ先だ。
サンクトペテルブルクのMBヤコブレフ(写真中央)の強烈なクイック
◆《第19節》ディナモ・モスクワ 3–1 クズバス・ケメロヴォ
(25-22,25-23,27-29,25-16)
(現地1/23)
年明けから無敗どうしの一戦は、ホームのモスクワがOPツベタン・ソコロフ(ブルガリア)が両チーム通じて最多24得点をマーク、OHヤロスラフ・ポドレスニ(ロシア)が21得点と続き、勝利した。ケメロヴォは4連勝でストップとなったが、この試合もOPイバン・ザイツェフ(イタリア)がチーム最多の19得点をあげる力強いパフォーマンスを見せた。
モスクワの大砲ソコロフ(写真コート奥)のアタック
◆《第19節》エニセイ・クラスノヤルスク 3–0 ウグラ-サモトロル・ニジネヴァルトフスク
(25-17,25-19,25-22)
(現地1/23)
今節を前に3連敗中だったクラスノヤルスクは、OHトドール・スクリモフ(ブルガリア)が7本のサービスエースを含む22得点の大活躍。また、MBアレクサンドル・クリトスキ(ロシア)が5本のブロックポイントをあげるなど攻守でニジネヴァルトフスクを上回り、連敗をストップさせた。
クラスノヤルスクのエース、スクリモフ(写真左から2番目)が果敢にスパイクを打ち込む
◆《第19節》ウラル・ウファ 3–1 ベロゴリエ・ベルゴロド
(23-25,25-21,25-15,25-17)
(現地1/23)
プレーオフ進出を確実にするためにも勝ち星を増やしたいウファは、今節でブロックが冴えた。チーム生え抜きのOHイゴール・フェオキチョフ(ロシア)が最多6本、MBコレンコフスキ・ドミトリー(ロシア)が4本のブロックポイントをあげて、ベルゴロドから逆転勝利を収めた。
合計15本のブロックポイントをマークしたウファ(写真コート手前)
◆《第19節》ASKニジニ・ノヴゴロド 3–0 ガスプロム-ウグラ・スルグト
(18-25,25-20,18-25,25-20,15-13)
(現地1/23)
◆《第7節》ASKニジニ・ノヴゴロド 3–0 ガスプロム-ウグラ・スルグト
(21-25,18-25,25-15,25-20,15-10)
(現地1/24)
延期されていた第7節が組み込まれた2連戦は両日フルセットにもつれこんだが、ノヴゴロドが2連勝とした。特に2セットダウンからの逆転勝利を収めた2日目は、第3セット開始時からコートに立ったOPビタリー・フェトソフ(ロシア)が5本のサービスエースを含む20得点をあげる活躍。MBアレクサンドル・メリニコフ(ロシア)が6本、MBビクトル・ニコネンコ(ロシア)が5本のブロックポイントをマークした。
◆《第7節》オイルマン・オレンブルク 0–3 ディナモ–ロ・レニングラード・オーブラスチ
(19-25,24-26,23-25)
(現地1/21)
◆《第19節》オイルマン・オレンブルク 3–2 ディナモ–ロ・レニングラード・オーブラスチ
(25-23,19-25,20-25,25-18,15-10)
(現地1/23)
残り試合数を見れば、まだプレーオフ進出の可能性が残されている両チームによる2連戦は、1勝1敗に終わった。初戦はオーブラスチが攻撃枚数の多さで上回りストレート勝ちを収めると、2戦目はフルセットの末にオレンブルクが勝利。特に2戦目はレニングラードがOPニキータ・アレクセーフ(ロシア)が26得点に対し、オレンブルクはOHマキシム・プディン(ロシア)が28得点をあげるなど、ポイントゲッターが激しい打ち合いを演じた。
激闘となった2戦目を制し、歓喜するオレンブルクの選手たち
《ロシアスーパーリーグ男子 レギュラーシーズン順位(round19終了時)》
1 ゼニト・サンクトペテルブルク 14勝4敗(勝ち点42)▲
2 ディナモ・モスクワ 14勝1敗(勝ち点41)▲
3 クズバス・ケメロヴォ 14勝4敗(勝ち点40)▼
4 ファッケル・ノヴィ・ウレンゴイ 13勝6敗(勝ち点38)▲
5 ゼニト・カザン 13勝7敗(勝ち点37)▼
6 ウラル・ウファ 10勝10敗(勝ち点29)-
7 ロコモティブ・ノヴォシビルスク 8勝8敗(勝ち点25)-
8 エニセイ・クラスノヤルスク 8勝9敗(勝ち点24)-
9 ASKニジニ・ノヴゴロド 7勝10敗(勝ち点19)▲
10 ウグラ–サモトロル・ニジネヴァルトフスク 6勝12敗(勝ち点22)▼
11 ガスプロム–ウグラ・スルグト 5勝14敗(勝ち点17)▲
12 ベロゴリエ・ベルゴロド 5勝13敗(勝ち点16)▼
13 オイルマン・オレンブルク 5勝14敗(勝ち点12)▼
14 ディナモ–ロ・レニングラード・オーブラスチ 4勝14敗(勝ち点16)-
※勝敗(勝ち点)。記号は前節からの順位推移
(責任編集:GUCII<坂口功将>)