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春高2025

月バレ!ザ・ワールド/vol.8-キューバ男子-

  • コラム
  • 2020.04.26

 ハロー!! 月バレ編集部のGUCII(グッチー)です。2020年の代表シーズンを占う上で、2019年に起きた大きなトピックスは欠かせません。最近では日本の高校バレーボール界でも注目を集めました。ずばり今回は男子バレーボールの国際舞台を席巻する、キューバにルーツを持つ選手たちを取り上げます。(Photo:FIVB

 それではご一緒に。月バレ!ザ・ワールド!

GUCIIの 月バレ! ザ・ワールド】vol.8

■かつてのキューバ男子を彩ったレアルやレオン。2019年の鳥人たち。

 2019年10月13日。ワールドカップバレーは男子大会9日目をむかえ、メイン会場の2試合目のコート上では、ブラジルとポーランドが火花を散らしていた。

 

 この一戦は、まちがいなく大会屈指の注目を集めていた。その前年に行われた世界選手権決勝のカードであったし、この勝敗が大会の優勝を左右するといっても過言ではなかったからだ(結果はブラジルがフルセットの末に勝利)。

 

 そして何より、国際舞台にふたたび戻ってきたカリブ海の香りが、見るものの関心を集めた理由だった。

ブラジルとポーランドの一戦を終え、両雄が一瞬だけ横に並んだ

女子はオリンピック3連覇。男子も2010年世界選手権銀メダル

 

 身長2メートル超の大型アタッカーが、高く舞い上がり、強烈なスパイクを打ち込む。その姿を披露したのがブラジルのイオアンディ・レアルであり、ポーランドのウィルフレド・レオン。かつてはキューバ代表としてプレーしていた2人である。

 

 キューバ代表といえば、その抜群の身体能力を生かしたプレーから“鳥人軍団”と称されてきた。女子は伝説的プレーヤー、ミレーヤ・ルイスを擁し、オリンピックでは1992年のバルセロナ大会から2000年シドニー大会まで3大会連続で金メダルを獲得した実績を持つ。一方の男子も90年代は国際大会で上位成績をあげ、2010年の世界選手権では準優勝。その立役者となったのがレアルやレオンだった。

 

 だが、翌2011年のワールドカップバレーで5位になって以降、主要国際大会におけるキューバ男子は下降線をたどる。男子は2016年リオデジャネイロオリンピックこそ出場を果たしているが、11位に終わっている。そこにはレアルやレオンといった世界トップクラスのアタッカーたちの離脱が要因の一つであることは想像に容易い。社会主義国キューバの事情もあるのだろう、レアルはブラジル、レオンはポーランドへの帰化を選択したのだ。

 

 そうして2019年は、国際バレーボール連盟の規定である一定の期間をクリアした2人にとって“代表入り解禁”の年となったのである。

2010年世界選手権で準優勝に輝いたキューバ男子

ブラジル男子の攻撃に厚みが増した、レアルの加入

 

 先に代表デビューを果たしたのはレアルだった。ブラジル男子の一員として、5月から7月にかけて行われた2019ネーションズリーグでプレーした。

 

 5月の予選ラウンド東京大会の時点では、ブラジル男子のレナン・ダルゾット監督もレアルについて「まだ合流して日も浅いので、特にディフェンスシステムに関しては、今後も取り組んでいく必要がある」と語っていた。それでも徐々にチームにフィットし、リカルド・ソウザ(ルカレリ)の対角として不動のレギュラーに定着。最高到達点361センチから繰り出されるスパイクやサーブはもちろん、ネットの上でまるごと両腕が飛び出るようなブロックは他を圧倒した。

 

 そのレアルについて、ワールドカップバレー2019でキャプテンのブルーノ・レゼンデに印象を聞いた。ブルーノとレアルは2010年世界選手権では決勝を争ったものどうしであり、イタリア・セリエAの強豪ルーベでは2018/19シーズンからチームメイトとして戦っている。

 

 「(レアルは)アメージングな選手です。世界のベストプレーヤーの一人。代表でもハイレベルなプレーをしてくれていますし、それはルーベで一緒になる以前に対戦していたころから感じていたとおり。また人間性も素晴らしいです。今は代表チームをよりパーフェクトなものにしてくれている存在です」(ブルーノ)

 

 結果として、ブラジルはワールドカップバレーを制した。代名詞の高速立体コンビバレーにおける攻撃のカードとして、1シーズンを戦い抜いたレアル。次に遂行するミッションは、オリンピックでのメダル獲得だ。

Yoandy Leal<イオアンディ・レアル/身長202㎝/最高到達点361㎝/アウトサイドヒッター>
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