2022-23シーズンのVリーグは必見!
Vリーグの2022-23シーズン開幕を前に、豪華解説者の皆さんが集合。昨シーズンを振り返るとともに、今シーズンの展望を語っていただきました。どうやら、今シーズンのVリーグは例年以上に見どころ満載のようです!
男子は「打倒ジェイテクト!」の戦い!?
福澤 男子の昨シーズンでは、2連覇を達成して、強いサントリーサンバーズが帰ってきた印象。ムセルスキー選手の合流が遅れるなどシーズン序盤に苦しみながら、中盤以降しっかり立て直したのも実力の証だと思います。V・ファイナルステージは、V・レギュラーラウンドをとおして好調だったウルフドッグス名古屋が有利と予測していたのですが、初戦を落としても動じなかったサントリーに王者の余裕さえ感じました。
山本 ファイナルは経験値が重要だからね。WD名古屋は確かに強かったし、レギュラーラウンドで常にレベルの高いバレーをしていたけど、優勝争いからはしばらく遠ざかっていた。だからこそ意気込みもあったろうけど、それがファイナルではマイナスに働いてしまったかもしれない。初戦を落としても動じなかったサントリーに対して、2戦目以降のWD名古屋に硬さが出たのは優勝経験に裏付けされた自信の差だったような気がする。
西田(写真左)などが加わったジェイテクトに注目が集まる
福澤 そういう意味では、悔しい準優勝を経験したWD名古屋の今シーズンは楽しみですね。3連覇をねらうサントリーはもちろん、優勝経験者が多いパナソニックパンサーズ、さらに西田(有志)と関田(誠大)の代表コンビに柳田(将洋)まで加わったジェイテクトSTINGSや復調の兆しが見える堺ブレイザーズなど、非常に高いレベルの戦いが期待できます。
山本 やっぱり、今シーズンはジェイテクトが注目の中心になるんじゃないのかな。例年なら、ディフェンディングチャンピオンが優勝候補の筆頭に挙げられて、〝打倒サントリー〞的なムードでリーグが展開されるけど、今シーズンに限っては、どのチームも〝打倒ジェイテクト〞の意識が高くなると思う。レギュラーラウンドを戦いながら、各チームがデータ解析するであろう〝ジェイテクト対策〞の戦術や効果について注目するのもおもしろいよね。
Takahiro YAMAMOTO
激戦の女子でPFUの躍進あるか!?
新鍋 女子の昨シーズンはファイナルが1試合で終わってしまいました。優勝した久光スプリングスも、準優勝のJTマーヴェラスも、どちらもやりきった感が持てなかったと思うんです。レギュラーラウンドも新型コロナウイルスの影響を受けたので、上位2チーム以外も不完全燃焼の気持ちが少なからず残っているはず。だから、チームや選手は、仕切り直しとなる今シーズンをモチベーションの高い状態で迎えるわけです。私は、特定のチームに注目というより、リーグ全体で例年以上に白熱した好試合が展開されると期待しています。
昨シーズンの激闘を制した久光。今回も熱い戦いに期待したい
江畑 手前味噌ですが、私は今シーズンのPFUブルーキャッツに期待しています。特に、最優秀新人賞を受賞したバルデス・メリーサ選手の2年目の活躍が楽しみですね。彼女が内定選手としてチームに入ったときに一緒にプレーしたのですが、スパイクの威力には驚きました。あれからわずかの間にさらに成長して、彼女の身体能力とセンスに改めて感心させられています。加えて、アコスタ・ロスランディ選手が戻ってきて2本柱ができ、それによって、アジア枠で入るミドルブロッカーのジャン・ティ・タン・トゥイー選手も生きてくる。日本代表に初選出された志摩美古都選手のプレーも安定してきたし…、とにかくPFUは選手が育っていて、それぞれが役割を果たせるようになっているので、今シーズンの躍進に期待できると思うんです。
Yukiko EBATA
シーズン終盤まで見どころいっぱい!
江畑 私以外の解説者の皆さんは優勝を経験されていますが、私は入れ替え戦の経験が多い(苦笑) 入れ替え戦ってほんとうに嫌で、入れ替え戦の経験値なんて誰も積みたくない! だから、レギュラーラウンド終盤で入れ替え戦の可能性が見えてくると、もう必死です。上位争いの1勝も大事なんですけど、下位争いの1勝も必死なので、そこにドラマが生まれたりします。昨シーズン、ヴィクトリーナ姫路が久光に勝った試合も、姫路は勝たなければ入れ替え戦の可能性が高まる状況だったんです。
新鍋 あの試合に久光が負けたことで、久光はファイナルラウンド進出が危ぶまれる状況に追い込まれたんですものね。最終的に久光が東レアローズとJTを破って優勝したのも、もしかしたら姫路戦の1敗が刺激になっていたのかもしれない、と考えるとドラマですね。
Risa SHINNABE
ホームゲームの放映にも注目!
山本 今シーズンは各チームがホームゲームへの意識をより高めているので、ファンの皆さんにもホームでの応援を楽しんでいただきたいですね。地元チームを会場で応援する楽しみはもちろんのこと、地元以外で応援したいチームのホームゲームをテレビで観戦するのも楽しいと思います。今シーズンから装い新たに参戦する東京グレートベアーズは、東京体育館をホームアリーナにして、ホームでの初戦からさまざまなファンサービスを企画していると聞いています。地方から東京のチームを応援して、チャンスがあったら東京体育館に足を運ぶなんていう楽しみ方もできますよね。
福澤 女子は男子より地域色というか、大阪や東京にチームが集中してないから、ホームゲームの重要性は高いですよね。
新鍋 解説者としては、会場観戦するときも放送を録画していただけるとうれしいですね。私たちが現役時代、必ず録画した試合を見ていたように、見直すことで新たな発見もできますから。印象に残った場面を録画で再確認したり、解説を聞くことで視点が変わったりして、より楽しんでいただけるのではないかと思います。
Tatsuya FUKUZAWA
山本 会場で生観戦して、GAORAでもう一度見るわけね。
福澤 現地では雰囲気や迫力を楽しんで、詳しくは解説付きの放映でおさらいする感じ?
山本 会場観戦とGAORA視聴を繰り返して…
福澤 受験生みたい(笑)
山本 GAORAを教材にしたらVリーグの本質が理解できる!
福澤 今のバレーボールって、展開が速くて、戦術も複雑になっているので、一般の方には奥深さが見えにくいでしょう。会場観戦では理解できない部分をできるだけ簡単に、わかりやすく穴埋めして、楽しさのレベルを深めてあげるのが解説者の役割なんですよね。
山本 だよね。日本代表戦の結果を見れば明らかなように、今、男子も女子も日本のバレーボールのレベルは確実に上がっています。試合の質は向上しているから、その楽しさ、すばらしさをわかりやすく伝えるのが解説者の務め。責任重大だけど、2024年のパリオリンピックに向けて、バレーボール人気を高めるチャンスのシーズンなのは間違いないから、みんなで頑張りましょう!
※記載の情報は10月14日現在のもので変更の可能性があります
■詳しくはGAORA SPORTS WEBサイトで
https://www.gaora.co.jp/volleyball/3574290
(月刊バレーボール)