いよいよ、世界バレー開幕! 月バレでは、注目の3選手スペシャルインタビューをドドンとお届けします! まずは、全日本でのキャリアを積み、今では欠かせない存在となった山内晶大選手!! 世界バレーへ向けての意気込みを尋ねました。
――いよいよ世界バレーが開幕します。ここまでの過程をどう見ていますか?
ネーションズリーグはオーストラリア、イランに勝てて、フランスやアメリカとも相手のメンバーが違うとはいえ、今までよりいい勝負ができるようになってきたと思います。日本ラウンドは移動の疲れもあって1、2戦目はコンディションが悪かったですが、イタリアにフルセットで勝つことができて、その後もアルゼンチン、ドイツに勝った。少しずつ、チームとして形ができてきたような感覚がありますね。
――日本のミドルブロッカーに対しても海外の意識が変化したように見えます
そうですね。以前はどうしてもサイドへの意識が強かったと思いますが、ミドルブロッカーからの攻撃が増えたことで警戒されているのかな、と。やっと同じ土俵ぐらいに一歩踏み出したかな、同じ階段を歩いているのかな、と少しずつ思えるようになりました。
――山内選手も若手ではなく中堅、チームの軸になってきた印象があります
ちょうど4年前に代表に選んでもらったころは何もわからなくて、とにかく周りにおんぶに抱っこ状態が続いていましたからね。ミドルブロッカーも鈴木(寛史)さんとか富松(崇彰)さんのようにベテランがいたので僕もついていくだけで発言もせず、甘えていたと思います。
でも去年はオミ(深津英臣)さんがチームのいちばん上という状態で、李(博)さんも年齢はオミさんと同じですが代表に入って1年目だったので、ミドルブロッカーでは自分が発言しなきゃ、という気持ちも出てきて、例えばブロックの時もサインを出したり、こっちはカバーをしてほしいと言うようになりました。
お互い自分がどうするかを明確にしたうえで、マサ(柳田将洋)さんや福澤(達哉)さんは1枚でサイドをカバーしてくれるし、福澤さんはクイックのヘルプにも入ってくれるのですごくやりやすいし、僕もまだまだ助けられています。でも、もう“若者”という立場じゃないな、とも思います。もちろん体もですけどね(笑)
――ミドルブロッカーとしてチーム内の立ち位置を確立した手応えはありますか?
まだないですね。例えばスパイクでもサイドアウト力がいちばん高いとか、ブロックもいちばんタッチを取っている、いちばん止めているというものがまだ僕にはない。たとえチーム内のAB戦ではできたとしても、海外と戦う時に同じように、当たり前にタッチが取れる、サイドアウトが取れるというところまでいかないと納得できないし、そうならなければ確立されているとは言えないと思います。イランの(モハンマド・)ムーサビエラギのようにセッターとのコンビがあそこまでのレベルへいけたらまた一段階上がれるのかな、と思っています。
――代表に入ったばかりのころは「シンデレラボーイ」と扱われましたが、今はキャリアも増えました
高校のころはインターハイなんて無縁で、当時の僕にとってはめちゃくちゃ遠い世界でしたからね。例えるなら、素人が『Mステ(ミュージックステーション)』に出るぐらいに絶対ありえない場所(笑)
夏休みも毎日部活があったわけではないし、練習もそれほど長くはなかったので友達と花火大会に行ったり、普通に夏を満喫していましたから(笑) でも、だから思うんです。たとえ高校時代に全国大会へ出られなかったり、遠い位置にいたとしてもすべてがそこにあるわけじゃないし、こういう未来もあるんだぞって。僕はまさにそうだったので。同じような状況にいる中高生にもぜひそれは言いたいですね。
――あらためて、世界バレーに向けて抱負、意気込みを教えてください
世界バレーに出るのは初めてなので、僕自身もワクワクしています。ミドルブロッカーとして求められているのはクイックで確実にサイドアウトを取ることもそうだし、ブロックで機能することもそう。サーブも含め、全部と言えば全部だと思いますが、特にスパイクとブロックでチームに少しでも貢献できるように。自分自身もチームも、これだ、というものが確立できるように頑張ります。
取材/田中夕子